枕草子にて清少納言曰く、
冬はつとめて。雪の降りたるは、言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、また、さらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭もて渡るも、いとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりてわろし。
訳)
冬は、早朝(がよい)。雪の降っている朝は言うまでもない。霜が降りてとても白いのも、またそうでなくても、たいへん寒いのに、火などを急いでつけ、炭をもって運びまわるのも、とても似つかわしい。昼になり、寒さがゆるくなってくると、火桶の炭火も、白い灰が多くなっているのは見た目がよくない。引用:【文学の話】
冬の朝は確かに、いい。
なんとなく世界が白んでいるでいる感じとか、霜がおりてる植物の美しさは格別だし、昇る朝日の神々しさは、息を呑むほどのときがある。
こういう、美しさとか綺麗さとか神々しさとか、そういった言葉に出来ないものを、でもどうにか言葉にして友人に伝えたい!みたいな衝動を娘に伝えていきたい。
ちなみに、僕は吉田兼好の徒然草にある年末年始の表現も好きだ。
かくて明けゆく空のけしき、昨日に変りたりとは見えねど、ひきかへめづらしき心地ぞする。大路おほちのさま、松立てわたして、はなやかにうれしげなるこそ、またあはれなれ。
こうして、元旦の夜明けは、見た目に普段の朝と変わりないが、状況がいつもと違うので特別な心地がする。表通りの様子も松の木を立てて、きらきらと嬉しそうに笑っているから、格別である。
引用:徒然草(吉田兼好著・吾妻利秋訳)
子供と一緒に。格別な朝を楽しんでおきたいと思う。
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